ヘンプ(Hemp)とは?世界的に活用が進むヘンプの魅力について知ろう

CBD

産業用大麻と呼ばれることもある「ヘンプ」。日本では大麻=危険薬物という教育がされてきたこともあり、大麻と聞くだけで危険で怖いものというイメージを抱く方も多いかもしれません。

そこで今回は、ヘンプに対する誤解を少しでも解消するため、ヘンプとはどういった植物で、どのような利用方法があるのかなど、基本的な知識をまとめました。なぜいまヘンプが注目されているのか、ヘンプの持つ魅力についても紹介します。

ヘンプとは?マリファナとはどう違う?

畑のヘンプ

ヘンプ(学名:カンナビス・サティバ・エル)は繊維や食品などの素材として利用されている大麻のことを指します。大麻と聞くとハイになる違法なものでは?と思う方も多いかもしれませんが、ヘンプにはハイになる成分のTHCはほとんど含まれていません。

一般的には繊維や食品として利用するものを「ヘンプ(Hemp)」、乾燥させた花穂を嗜好用として喫煙したり食べたりするものを「ウィード(Weed)」もしくは「マリファナ(marijuana)」と区別していますが、どちらもアサ科アサ属の植物です。

ヘンプのTHC濃度基準値

国によってヘンプに含まれるTHC濃度の基準値はさまざまです。

アメリカではTHC濃度が0.3%以下のもの、ヨーロッパの国々では0.2~0.3%以下のものであればヘンプとして扱うと定義されています。

一方、日本では明確にTHC濃度の基準値が定められているわけではありません。

日本国内でのヘンプの栽培状況は?

大麻に厳しい日本ですが、繊維や種子を利用する目的であればアメリカやヨーロッパのように栽培することは可能です。しかし、実際に大麻の栽培免許を取得するためには厳しい審査を受ける必要があり、仮に栽培を許可されたとしても監視カメラの設置を義務付けられるなど細かなルールが設けられている自治体もあるようです。

こうしたこともあり、1950年代には37,000軒あった大麻農家が現在では30軒程度まで減少しています。現在は栃木県鹿沼市や三重県などのごく一部で神事用に使用される大麻の栽培が行われていますが、国内の需要をまかないきることはできないため中国からの輸入に頼っているのが現状です。

さまざまな用途で活用できる!ヘンプの魅力とは

ヘンプで作られた糸

日本では縄文時代から大麻を食品や布製品として利用してきたということがわかっています。いまでもヘンプといえば衣類の素材に使用されているものというイメージが強いかもしれませんが、実はヘンプの用途はそれだけではありません。

ここでは、どんな活用方法があるのかをはじめ、ヘンプの持つ魅力について見ていきましょう。

衣食住のすべてに活用できる

ヘンプは花穂、葉、茎、種、根といったすべての部位を余すことなく活用できる植物です。たとえば、茎の部分は衣類やロープの素材として利用されたり、石灰と混ぜることで「ヘンプクリート」と呼ばれる建築材料にすることもできます。

種の部分は栄養価が高いことから食品に活用されることが多く「麻の実ナッツ」や「ヘンプシード」と呼ばれスーパーフードとして日本でも注目されるようになってきました。

栄養価の高い種から搾り取った「ヘンプシードオイル」は、調理用のオイルとしてはもちろん、化粧品やバイオマス燃料にも利用されています。

サステナビリティに優れている

地球温暖化などの環境問題が叫ばれる中、ヘンプはサステナブルな素材としても注目を集めているのをご存じでしょうか。

ヘンプは栽培する土地を選ばず、成長が早く、害虫に強いという性質があり、農薬を必要とせず肥料も最小限で済むため、栽培時の環境負荷が抑えられると考えられています。また、他の作物と比べて栽培時の環境負荷が低いだけでなく、地球温暖化の原因とされるCO2の吸収にも優れています。

さらに、ヘンプの根には土壌に残留した汚染物質などを吸収するといった効果も。産業用大麻の試験栽培が行われている北海道の北見農業試験場では、肥料の大量投入により残留した硝酸性窒素をヘンプに吸収させる取り組みなどが行われていて、土壌改善の効果が確認されています。

丈夫で肌に優しい

衣類などの素材としても優秀なヘンプは、天然繊維の中でも特に丈夫で耐久性に優れています。さらに吸湿性、抗菌性、消臭性、UVカットなど衣類としての機能性が高く、蒸し暑い日本の夏にはぴったりの素材です。

一昔前はヘンプの服は硬くてゴワゴワしているというイメージがあったかもしれませんが、最近ではコットンを混ぜたヘンプコットンなど着心地の良さを追及したものも販売されています。

今話題のCBDもヘンプ由来

リラクゼーション効果や睡眠のサポートとして注目されているCBDもヘンプから抽出されたものです。

THCを多く含む大麻からもCBDを抽出することは可能ですが、日本で流通しているものはヘンプ由来のものになります。さらに、日本の法律ではTHCをほとんど含まないヘンプであっても花穂や葉の部分は規制の対象となっているため、種や茎から抽出されたCBDが使用されています。

ヘンプで作られたおすすめの製品を紹介

ヘンプにはさまざまな活用方法があり、素材としても優れていることがお分かりいただけたかと思います。

ここからは、私たちの身体や環境にとってメリットの多いヘンプを手軽に取り入れられるおすすめの製品を紹介します。

ヘンプシード(麻の実ナッツ)

ヘンプシードは良質なたんぱく質、ミネラル(鉄・銅・亜鉛・マグネシウム)、必須脂肪酸のリノール酸(オメガ6)やαーリノレン酸(オメガ3)を豊富に含むスーパーフードです。

味はまさにナッツという感じで香ばしく、そのまま食べたりサラダやヨーグルトなどにトッピングして食べるのもおすすめ。クセがないのでさまざまな料理に合わせることができます。手軽に栄養をプラスしたいというときにあると便利なアイテムです。

CBD製品

CBDは、ヘンプを利用した製品の中でいま最も注目されているといっても過言ではありません。睡眠に悩みを持つ方やストレスによる不調などを抱えている方など、日本でも使用する方が多くなりさまざまな商品が販売されています。

CBD製品といってもいろいろありますが、その中でも初めて摂取する方にもおすすめなのがCBDグミです。

CBDグミのメリットは、

・一個あたりのCBD含有量が決まっているので摂取量がわかりやすい

・オイルなどと比べてヘンプ特有の味が抑えられている

などがあります。

これはグミに限らずですが、CBD製品を購入する際は信頼できる大手ブランドから購入するようにしましょう。CBDについて知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

CBD とは?|知っておきたい効果や製品の選び方、摂取時の注意点についても

いまのところ日本で流通しているヘンプ製品のほとんどが海外からの輸入品ばかりというのが現状です。一方で、2022年頃から産業用大麻栽培の規制を緩和するという流れも見られるようになってきています。現状は法整備段階ですが、近いうちに国産のヘンプシードやCBD製品が販売される日も近いかもしれませんね。

【参考ページ】麻福「ヘンプ入門」
https://asafuku.jp/hpgen/HPB/entries/1.html

コメント

タイトルとURLをコピーしました